シンポジウム「日本の核医学が目指す姿」登壇者募集
セッション5
「シンポジウム日本の核医学が目指す姿」開催後記
PETサマーセミナー2025 in白山にて「シンポジウム日本の核医学が目指す姿」を開催させていただいた。本シンポジウムは、アイソトープ協会 理工・ライフサイエンス部会・次世代核医学イメージング探索専門委員会にて、2020年度から議論してきた内容を総括したものであり、当日は4名の登壇者からの発言と、フロアーからの活発な発言・議論が行われた。
核医学は、これまで通り診療における役割を果たすとともに、学問領域の独自性と発展を維持し、その医療応用を有効に安全に提供し、普及させる環境づくりを牽引していく必要がある。これが核医学の目指す姿であると、本セッションの議論を統括することができるだろう。
本シンポジウムで取り上げられた論点は主に以下の4点であった。
1)治療選択への強みを活かす2)独立した教育システムの確立
3)新しい薬剤・技術のスムーズな実践、受け入れる医療・社会環境の醸成
4)非密封放射性核種の医療応用のための社会構想と発信
1)形態の変化や症状では得られない核医学の所見が、どのように治療選択に関わるのか。そして、所見の拾い上げや鑑別診断の列挙にとどまらない、その背景にある病態への洞察を与えるのが核医学の役割だろう。その独自の役割を整理・言語化し、例えば診療ガイドラインの中で分かりやすい形にしていくことで、核医学の強みを活かした一層の活用と普及が促進されるだろう。
2)核医学は他の診療科のように対象とする具体的臓器・疾患に限定されず、広く病態生理を扱う。そして、薬剤の体内動態等から生理学、放射線計測、薬学の知識をもとに病態生理を明らかにする思考プロセスを辿る。複数領域にまたがる基礎医学がベースになるため、初学者がスムーズに専門性を獲得し、発展を担えるよう体系的な教育システムの構築が必要であろう。
3)新しい薬剤・技術はその領域を活性化し、積極的に活用できる人材育成にも役立つ。さらに、それらを受け入れ、サポートする社会環境を培うことも重要であり、そのためには多くの人に有用性を知ってもらう必要がある。核医学会内のみならず、他の領域でも積極的に紹介していく。獣医学との連携も、身近な動物(犬、猫、馬)を通して理解の促進になるだろう。
4)原料・核種の製造は海外依存状態にある。また、特にα核種廃棄物は核施設における保管状態にある。核医学を取り巻く社会環境・世界情勢への知識や理解を深めつつ、原子核エネルギーを医療応用する専門家として、社会構想力と発信力を発揮する。
今回、頂いた意見を次のステップに活かすべく、引き続き、尽力していきたい。
主旨
シンポジウム「日本の核医学が目指す姿」を開催します。
このシンポジウムの目的は、日本核医学会会員の核医学医師を中心として、日本核医学が目指す姿について意見交換し議論を深めることです。
理想の姿、理想に辿りつくための課題を共有できれば、次のステップにつながることが期待されます。
企画
日本アイソトープ協会 理工・サイエンス部会 次世代核医学イメージング探索委員会のメンバーが中心となって提案・準備させて頂いています。
募集方法
このような場で、登壇し発言して下さる先生を募集(数名)します。
・核医学を実践するための環境や、核医学医師のあるべき姿・習得しておくべき知識はどのようなものか。
・他の手法では得られない病態診断や、病態への洞察において、現在の日本核医学ではその力を十分に発揮できていない。
その原因はどんなところにあるのか、なぜそうなってしまったか。
たとえば、このようなことを普段から考え、打開策を模索しておられましたら、是非、PETサマーセミナーという場で発言し、将来像について議論を交わしませんか。
200-300文字程度で発言したい内容を下記メールアドレスまでお送りください。
・登壇者は核医学会会員に限らせて頂きます。
・登壇者への謝金や交通費の支給はございません。
・登壇者の希望が多かった場合は、内容や若手・ベテランなどのバランスをみて、シンポジウム提案者において決めさせて頂くことをご了承ください。
募集期間
募集期間:2025/4/15(火)~2025/5/31(土)23:59まで
【シンポジウム「日本の核医学が目指す姿」登壇者の受付は終了しました】
募集の流れ
1. 募集期間内に応募する(2025/4/15(火)~2025/5/31(土)23:59まで)
▼
2.採択通知(2025/6月上旬頃にメールにてご連絡いたします)
※採択の可否、発表の形式、抄録(PDF)掲載用の書式等必要事項を連絡します。
注意:発表にあたってサマーセミナーへの参加登録が必要です。
▼
3. 抄録原稿を入稿する(締切:2025年6月20日(金)正午)
▼
4. 発表用資料を作成する
▼
5. 当日発表する
現地会場での口演発表となります。
※オンデマンド配信の予定はございません。
登壇者募集窓口
量子科学技術研究開発機構 (QST)
・量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部 核医学診断・治療研究グループ
・高橋美和子 あて
・応募先メールアドレス:takahashi.miwako(アット)qst.go.jp
※アットを@に変えてメール送信ください。

